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歌に合わせ、子どもたちが全身で表現をして会場を盛り上げた=2025年3月8日、横浜市中区、上野創撮影

 障害や病気を抱える子どもとその兄弟姉妹、保護者を支援する団体が集まって楽しく交流しよう――。そんな「ワクワクつながる祭典」が8日、横浜市中区の大桟橋ホールであった。

 主催は、難病や障害で劇場に来るのが難しい子どもたちにパフォーマンスを届ける活動をしているNPO法人「心魂(こころだま)プロジェクト」(横浜市)。昨年に続く2回目で、神奈川県内のほか北海道や四国などから17団体が参加。病気や障害を抱える子どもや家族ら計約500人が訪れ、歌などのパフォーマンスで盛り上がった。

 放課後等デイサービスなどを運営する神奈川県藤沢市のNPO法人laule’a(ラウレア)は、「遊び体験」を提供する活動もしており、会場に空気で膨らませるトランポリンの遊具を持ち込んだ。理事で作業療法士の鈴木拓真さんは「障害がある子もきょうだいも、体を動かすことを楽しんでくれて良かった。ここで知り合った団体と次に何かできそうです」と話した。

 先天性の難病で入退院を繰り返してきたというニックネーム「ジャスミン」さん(16)は、ステージで踊った。歌詞を読み、自分の気持ちを重ねて振り付けを考えたという。スピーチもこなして会場から大きな拍手を受けた。「練習も含めて何カ月も準備した。つらかった入院中も目標があるから頑張れた」と笑顔で話した。

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大人も子どももパフォーマンスを楽しんでいた=2025年3月8日、横浜市中区、上野創撮影

 相模原市の高校3年生のみゆかさん(18)は重度重複障害のある妹がいる。心魂プロジェクトの「きょうだい児チーム」に入り、悩みや不安を共有できる同じ立場の高校生と出会えた。「祭典」でさまざまな支援活動を知り、「素敵な大人がたくさんいるんだと思った。春から通う大学では北欧の文化や制度を勉強して、社会福祉についても学びたい」と話した。

 心魂プロジェクトの寺田真実(まさみ)共同代表は「子どもたちへの思いをもつ団体や人がつながって、みんなの心で作る遊園地のような催しを目指した。来年も開催します」と話した。

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